日本の歯科技工士の問題点。離職率の高さと、長時間労働低賃金問題について
コンビニの総数は7万件、
歯科医院の総数はそれより多い10万件といわれています。
日本の人口減少問題と歯科技工士の減少
総務省「我が国の人口動態と将来推計」より
日本は少子高齢化社会に向かっています。
2018年、現在の時点で人工は1億2700万人
2050年の時点で1億を割り、9700万人にまで減ります。
出生率も1.46倍となっていて、
上のグラフから読み取れるように、
65歳の人口の割合は
2018年では約28%
10年後の2030年では約30%
30年後の2050年では約40%になります。
自然と、義歯を製作できる歯科技工士が
必要になりますが、
今、技工士は減少傾向にあります。
歯科技工士の減少と、業界の問題点
歯科技工士の離職率は、
専門学校卒業ご3年以内の離職率が
約80%と以上に高いです。
その原因は大きく2つ、
異常な労働時間と低賃金にあります。
日技実態調査2006より
歯科技工士の
週間平均労働時間は約65時間。
大体毎日11時まで働いている計算ですが、
半数以上が深夜まで働いている状況は異常です。
この原因は主に、
歯科医院の経営悪化による
技工料金の値引き交渉と、
技工所のダンピング競争による、
技工料金の低下が原因で深夜まで働かないと
売上が上げられない事によります。
歯科技工士の現状と将来
今歯科技工所には
CADCAMをはじめとする
デジタル機器が
急速に広まっています。
手作業で行われている作業模型製作、咬合器装着、ワックスアップ、口腔内に入る装置(インレー、クラウン、ブリッジ等)の製作は、将来的には3Dスキャナや口腔内カメラ、歯科用CAD/CAMシステム、3Dプリンタの普及により3Dデンチャーが普及し、作業の簡素化・自動化が進み、歯科技工士の作業は設計段階での誤差の補正や、機械で加工された装置の微調整、口腔内のチェックとなることが予想される。
wikipediaより
デジタル機器は歯科技工の補助と
労働時間の短縮につながりますが、
最終的な調整は
技工士が居ないと不可能です。
光学スキャナー、3Dプリンター、CAD/CAMの普及で歯科技工士は不要になるのか?
日本はいまから超高齢化社会に
向かっています。
入れ歯、クラウン、ブリッジの需要は
今後さらに伸びていきますが、
歯科技工士の人数は足りなくなります。
CADCAMをはじめとするデジタル機器が
歯科技工士の大きな助けになっていくことは
まちがいないことではありますが…
歯科技工の、業界への希望
保険点数の見直しや、
技工料金の適正化、
歯科技工士の労働環境の改善と、
法の整備を含めた
歯科技工士の地位が向上しないと
歯科技工士の人材不足は
解決しません。
そして、歯科技工士認知度向上に伴う、保険制度の向上等が
若い歯科技工士達の待遇改善につながることを願っています。